レインボウ☆アイズ
俺は授業中ずっと、咲葉さんとどこに行くかを考えていた。
俺の心の声が聞こえたら先生泣くだろうな、と思ったが、今日は許してほしい。
ちゃんと考えておかないと祐子さんに、遊園地に行け、とか言われそうだから、自分でなんとかするしかない。
遊園地なんて、人がたくさんいるところには、絶対に行きたくないから…。
ずっと考えたおかげで、いい案が思いついた。
咲葉さんは外でビールを飲みたいって言ってたから
公園でピクニックなんて、いいんじゃないかな。
お花見の季節は終わってしまったけど、何かしら綺麗な花が咲いているだろう。
青空の下、ビールを飲む咲葉さんの姿を、思い浮かべる。…きっと喜んでくれそうだ。
昼休みになり、保健室へ行こうと自信を持って立ち上がると、和成が教室に来た。
「敦哉君。最近来れなかったけど、変わりない?」
『朝の電車も…』
和成は笑顔で言う。
何かあったら言って、っていうメールはくれてたし、
咲葉さんのことで落ち込んだり浮かれたりしてたから、和成が来なくても気にならなかった。
「うん。大丈夫。…毎日楽しいよ。
週末、時間があったらうちに来て。また色々あったんだ。」
俺も笑顔で答える。
「わかった、行くよ。」
『きっと咲葉さんのことだね』
「うん。そう…。待ってるね。」
和成は微笑んで、廊下へ出て行く。
本当のことを言ったって話したら、きっとびっくりするだろうな…。
でも、喜んでくれる気がする。デートもあるし、週末が楽しみだ。
俺が自信満々で保健室のドアを開けると、すかさず祐子さんが言った。
「デート、ちゃんと考えた?」
「もちろん。公園でピクニックなんてどうかな?」
俺は自信を持って即答する。
「あー…。いいけど…。」
『なんだか可愛いわねえ』
「…公園も今の季節は混むわよー。」
祐子さんは冷静に言った。
「え…そうなんだ。」
この前、咲葉さんと行った公園はそんなに人がいなかったけど…。
このまま公園デートの計画を進めるか迷っていると、
「ピクニックしたいなら、家の庭でいいじゃない。」
祐子さんが意外な案を出した。
え…?うち?その手もあったか…。
いや、でも…。
「…いきなり家に呼ぶなんて、嫌がらないかな…。」
そう言って、咲葉さんが家で二人になるのはちょっと、と心の中で言っていたことを思いだす。
うちで二人きりになることはないけど、断られるような気がするな…。
「なんで?綺麗な花も咲いてて、人もいないからちょうどいいじゃない。」
祐子さんはあっけらかんと言う。
…確かに庭師さんがいつも綺麗にしてくれて、人は俺たち以外いないけど…。
「食べ物は、修が用意してくれるだろうし。」
確かに、気の利いたものを用意してくれそうだ…。
俺にはわからない、美味しいお酒とかも選んでくれるだろう。
咲葉さん喜ぶかもなあ…。
いや…、でも。
「きっと、落ち着かないよ…。知り合ったばかりの人の家に行くなんて。」
咲葉さんの家まで送ろうとして断れたから、うちに来るのも断られるような気がする。
でもそれは祐子さんには言いたくない。
「大丈夫よ。それに、兄さんたち今月は家にいないんでしょ?」
嫌がる俺を気にせず、祐子さんはくらいついてくる。
「うん…。仕事のついでに旅行してくるって…。」
「じゃあ、尚更、平気でしょ。修は気を利かせてくれるだろうし。
なんなら、私も応援に行くし…」
「絶対に来ないで。」
祐子さんが来たら、なんだか大変なことになりそうなので、俺はきつく言った。
でも、咲葉さんがうちに来たら、楽しいような気もしてきた。
確かに、うちだったら落ち着いて話せるし、疲れたら部屋に入ってもいい。
咲葉さんが酔っちゃったら、修に車で送ってもらえばいいし…。
いいことずくめだけど…。うーん…でも…。
いきなり家に誘われるってどうなの?…付き合ってもいないのに。
悩んでいる俺に祐子さんは言った。
「まあ、とりあえず聞いてみなさいよ。デート自体、断られるかもしれないんだし。」
そっか。その可能性もあるのか…。
そういえば、高校生とは付き合えないって言ってたしなー…。
今度は落ち込み始めた俺に、祐子さんが言った。
「明日、さらっと聞いてみて、ダメならまた考えましょ。
ここまでうまく行ってるのが奇跡なんだから。」
確かにそうかも。
心の声が聞こえることを言ったのに、まだ咲葉さんと話が出来るなんて
思ってもみなかったもんな…。
ダメもとで言ってみるか、と思って見上げた空が青い。
週末、咲葉さんとこんな空を見上げられたら、嬉しいな。
俺の心の声が聞こえたら先生泣くだろうな、と思ったが、今日は許してほしい。
ちゃんと考えておかないと祐子さんに、遊園地に行け、とか言われそうだから、自分でなんとかするしかない。
遊園地なんて、人がたくさんいるところには、絶対に行きたくないから…。
ずっと考えたおかげで、いい案が思いついた。
咲葉さんは外でビールを飲みたいって言ってたから
公園でピクニックなんて、いいんじゃないかな。
お花見の季節は終わってしまったけど、何かしら綺麗な花が咲いているだろう。
青空の下、ビールを飲む咲葉さんの姿を、思い浮かべる。…きっと喜んでくれそうだ。
昼休みになり、保健室へ行こうと自信を持って立ち上がると、和成が教室に来た。
「敦哉君。最近来れなかったけど、変わりない?」
『朝の電車も…』
和成は笑顔で言う。
何かあったら言って、っていうメールはくれてたし、
咲葉さんのことで落ち込んだり浮かれたりしてたから、和成が来なくても気にならなかった。
「うん。大丈夫。…毎日楽しいよ。
週末、時間があったらうちに来て。また色々あったんだ。」
俺も笑顔で答える。
「わかった、行くよ。」
『きっと咲葉さんのことだね』
「うん。そう…。待ってるね。」
和成は微笑んで、廊下へ出て行く。
本当のことを言ったって話したら、きっとびっくりするだろうな…。
でも、喜んでくれる気がする。デートもあるし、週末が楽しみだ。
俺が自信満々で保健室のドアを開けると、すかさず祐子さんが言った。
「デート、ちゃんと考えた?」
「もちろん。公園でピクニックなんてどうかな?」
俺は自信を持って即答する。
「あー…。いいけど…。」
『なんだか可愛いわねえ』
「…公園も今の季節は混むわよー。」
祐子さんは冷静に言った。
「え…そうなんだ。」
この前、咲葉さんと行った公園はそんなに人がいなかったけど…。
このまま公園デートの計画を進めるか迷っていると、
「ピクニックしたいなら、家の庭でいいじゃない。」
祐子さんが意外な案を出した。
え…?うち?その手もあったか…。
いや、でも…。
「…いきなり家に呼ぶなんて、嫌がらないかな…。」
そう言って、咲葉さんが家で二人になるのはちょっと、と心の中で言っていたことを思いだす。
うちで二人きりになることはないけど、断られるような気がするな…。
「なんで?綺麗な花も咲いてて、人もいないからちょうどいいじゃない。」
祐子さんはあっけらかんと言う。
…確かに庭師さんがいつも綺麗にしてくれて、人は俺たち以外いないけど…。
「食べ物は、修が用意してくれるだろうし。」
確かに、気の利いたものを用意してくれそうだ…。
俺にはわからない、美味しいお酒とかも選んでくれるだろう。
咲葉さん喜ぶかもなあ…。
いや…、でも。
「きっと、落ち着かないよ…。知り合ったばかりの人の家に行くなんて。」
咲葉さんの家まで送ろうとして断れたから、うちに来るのも断られるような気がする。
でもそれは祐子さんには言いたくない。
「大丈夫よ。それに、兄さんたち今月は家にいないんでしょ?」
嫌がる俺を気にせず、祐子さんはくらいついてくる。
「うん…。仕事のついでに旅行してくるって…。」
「じゃあ、尚更、平気でしょ。修は気を利かせてくれるだろうし。
なんなら、私も応援に行くし…」
「絶対に来ないで。」
祐子さんが来たら、なんだか大変なことになりそうなので、俺はきつく言った。
でも、咲葉さんがうちに来たら、楽しいような気もしてきた。
確かに、うちだったら落ち着いて話せるし、疲れたら部屋に入ってもいい。
咲葉さんが酔っちゃったら、修に車で送ってもらえばいいし…。
いいことずくめだけど…。うーん…でも…。
いきなり家に誘われるってどうなの?…付き合ってもいないのに。
悩んでいる俺に祐子さんは言った。
「まあ、とりあえず聞いてみなさいよ。デート自体、断られるかもしれないんだし。」
そっか。その可能性もあるのか…。
そういえば、高校生とは付き合えないって言ってたしなー…。
今度は落ち込み始めた俺に、祐子さんが言った。
「明日、さらっと聞いてみて、ダメならまた考えましょ。
ここまでうまく行ってるのが奇跡なんだから。」
確かにそうかも。
心の声が聞こえることを言ったのに、まだ咲葉さんと話が出来るなんて
思ってもみなかったもんな…。
ダメもとで言ってみるか、と思って見上げた空が青い。
週末、咲葉さんとこんな空を見上げられたら、嬉しいな。