レインボウ☆アイズ
店
座ったはいいが、怖くて俺は前を見ることができない。
咲葉さんがずっと手をつないでいてくれるけど、やっぱり人の目は怖かった。
「では、馴れ初めから聞かせていただきましょうか。」
小宮山さんがご機嫌に言う。
「はい。何度も言っているように、電車の中で知り合いましたのよ。」
咲葉さんは笑っているが、冷たい声で答えた。
「しかしさー、どこが良かったのよ、山本の。」
森本さんが、多分俺に言ったのだが、
「そりゃ、全部でしょ。」
咲葉さんが食い気味に答える。
「山本には聞いてない。」
そうだよな、と思い、おそるおそる森本さんを見ると
特に心の声は聞こえてこないので、俺は安心して答えた。
「えっと、可愛かったんで…。」
俺が答えると、
「ふーん…。」
無表情な顔で森本さんは答えた。
「なに?その微妙な反応…。」
咲葉さんが不満そうに言う。
「いや、ねえ…。好みはそれぞれだよね。」
『彼氏くんのほうが可愛いと思うけど』
話していた小宮山さんを見ると、声が聞こえてしまった。
いや…女の子より可愛いって言われても、あまり嬉しくないな…。
「高校生、か…。」
呟く森本さんに咲葉さんが言う。
「森本が気に入ってた女子高生はどうしたの?」
「ちょっと電車が混んでぶつかったら、すげー睨まれてさ。無いなって悟ったね。」
遠い目で森本さんは答えた。
「うーん…。普通、そうだよね…。」
「うん。山本、お前、一生の運を使い果たしたぞ。」
「そうだね…。高校生とつきあうなんて、宝くじに当たるようなもんだよ。」
森本さんの言葉に小宮山さんも同意する。
…なんだか、面白い人たちだな…。思わず笑ってしまう。
「敦哉が笑うところじゃないよ。フォローするところ。」
咲葉さんが俺の目を見て言う。
『でも笑ってくれて良かった』
心の声が聞こえて、また嬉しくて俺は笑う。
「あーあ、ラブラブだねえー。」
小宮山さんが言うと、森本さんが言った。
「…この前の合コンは、ダメだったのかよ。」
「うん。全部、総務の佳美に持ってかれた…。」
「ふーん…。」
そう言う森本さんは、少し嬉しそうだ。思わずじっと見ていると、目が合った。
『よかった』
森本さんの心の声が聞こえてしまう。…女子高生がいいんじゃないんだ。
「小宮山の良さがわかる男は、なかなかいないよね…。」
咲葉さんがしみじみ言う。…いや、隣にいるみたいですけど。
「ねー。来るもの拒まず、なんだけどなー。」
小宮山さんが同意する。
…じゃ、森本さんが小宮山さんに好きだって言ったら、付き合うのかな。
どうなんだろう、と考えていると、森本さんが言った。
「ま、モテない俺らの話をしたって、つまらないだろ。」
「うん。そうだね。」
咲葉さんが答えると、
「なに?その、上から目線。」
小宮山さんが冷たい目で言う。
「いやいや、そんなつもりないって。っていうか今、完全にモテないグループの気持ちだったし。」
咲葉さんが笑って言った。
「まあ、山本は元モテないグループだもんな。…いや、違うか…。」
「うん…。」
森本さんの言葉に小宮山さんが小さく頷く。
「え?あ…いや、モテ期って多分あるんだよ…。」
咲葉さんが俺の手を握り、うつむいて言う。
…あ。そうか、咲葉さんのことを好きな男がいたんだもんな…。咲葉さん、実はモテるんだよな。
もしかして、森本さんも、と思って顔をあげると
『どこがいいのかねー。この酒乱の』
森本さんの心の声が聞こえた。
安心したけど、酒乱って…。何があったんだろう…。あとで咲葉さんに聞いてみよう。
咲葉さんがずっと手をつないでいてくれるけど、やっぱり人の目は怖かった。
「では、馴れ初めから聞かせていただきましょうか。」
小宮山さんがご機嫌に言う。
「はい。何度も言っているように、電車の中で知り合いましたのよ。」
咲葉さんは笑っているが、冷たい声で答えた。
「しかしさー、どこが良かったのよ、山本の。」
森本さんが、多分俺に言ったのだが、
「そりゃ、全部でしょ。」
咲葉さんが食い気味に答える。
「山本には聞いてない。」
そうだよな、と思い、おそるおそる森本さんを見ると
特に心の声は聞こえてこないので、俺は安心して答えた。
「えっと、可愛かったんで…。」
俺が答えると、
「ふーん…。」
無表情な顔で森本さんは答えた。
「なに?その微妙な反応…。」
咲葉さんが不満そうに言う。
「いや、ねえ…。好みはそれぞれだよね。」
『彼氏くんのほうが可愛いと思うけど』
話していた小宮山さんを見ると、声が聞こえてしまった。
いや…女の子より可愛いって言われても、あまり嬉しくないな…。
「高校生、か…。」
呟く森本さんに咲葉さんが言う。
「森本が気に入ってた女子高生はどうしたの?」
「ちょっと電車が混んでぶつかったら、すげー睨まれてさ。無いなって悟ったね。」
遠い目で森本さんは答えた。
「うーん…。普通、そうだよね…。」
「うん。山本、お前、一生の運を使い果たしたぞ。」
「そうだね…。高校生とつきあうなんて、宝くじに当たるようなもんだよ。」
森本さんの言葉に小宮山さんも同意する。
…なんだか、面白い人たちだな…。思わず笑ってしまう。
「敦哉が笑うところじゃないよ。フォローするところ。」
咲葉さんが俺の目を見て言う。
『でも笑ってくれて良かった』
心の声が聞こえて、また嬉しくて俺は笑う。
「あーあ、ラブラブだねえー。」
小宮山さんが言うと、森本さんが言った。
「…この前の合コンは、ダメだったのかよ。」
「うん。全部、総務の佳美に持ってかれた…。」
「ふーん…。」
そう言う森本さんは、少し嬉しそうだ。思わずじっと見ていると、目が合った。
『よかった』
森本さんの心の声が聞こえてしまう。…女子高生がいいんじゃないんだ。
「小宮山の良さがわかる男は、なかなかいないよね…。」
咲葉さんがしみじみ言う。…いや、隣にいるみたいですけど。
「ねー。来るもの拒まず、なんだけどなー。」
小宮山さんが同意する。
…じゃ、森本さんが小宮山さんに好きだって言ったら、付き合うのかな。
どうなんだろう、と考えていると、森本さんが言った。
「ま、モテない俺らの話をしたって、つまらないだろ。」
「うん。そうだね。」
咲葉さんが答えると、
「なに?その、上から目線。」
小宮山さんが冷たい目で言う。
「いやいや、そんなつもりないって。っていうか今、完全にモテないグループの気持ちだったし。」
咲葉さんが笑って言った。
「まあ、山本は元モテないグループだもんな。…いや、違うか…。」
「うん…。」
森本さんの言葉に小宮山さんが小さく頷く。
「え?あ…いや、モテ期って多分あるんだよ…。」
咲葉さんが俺の手を握り、うつむいて言う。
…あ。そうか、咲葉さんのことを好きな男がいたんだもんな…。咲葉さん、実はモテるんだよな。
もしかして、森本さんも、と思って顔をあげると
『どこがいいのかねー。この酒乱の』
森本さんの心の声が聞こえた。
安心したけど、酒乱って…。何があったんだろう…。あとで咲葉さんに聞いてみよう。