レインボウ☆アイズ
改札であの人の後姿を見送り、振り向くと和成がいた。
「今日も会えたんだ。よかったね…。」
『大丈夫だったかな…』
引きつったように笑って、和成は言った。
…やっぱり心配をかけてしまっているな。
俺は笑顔で言った。
「大丈夫だったよ…。」
そして、言うか迷ったが、和成を安心させたくて付け足した。
「今日は、ふわふわくんって呼ばれた…。」
言ってみると、やっぱり恥ずかしい。顔が熱くなる。
「へえ…、そうなんだ…。」
和成は、俺の顔を見て言ったが
『それって、やっぱり犬扱い…』
まで聞こえたところで、目をそらす。
和成に安心してほしくて、俺は言った。
「それでもいいような気がする。あの人は犬のことを、すごく可愛がりそうだから。」
…あの人に可愛がられたい…。
そう思ってしまって、俺の声は誰にも聞かれなくて良かったと思う。
「そっか…。」
和成は、俺から目をそらしたまま答えた。
安心させるどころか、余計に心配をかけてしまった気がする…。
反省しながら、和成と学校に向かって歩いていた。
これ以上何か言うと、心配に拍車をかけそうな気はしたが、
俺はどうしても和成に聞きたかった。
そして、背中を押してくれると嬉しいんだけど。
そう思いながら俺は言った。
「俺…前髪、切ろうかな。」
「え?」
和成は俺の顔を見たが、心の声は聞こえない。
驚きすぎて言葉にならなかったようだ。
「…何か言われたの?」
俺から目をそらして、和成は聞く。
「うん…どんな顔してるんだろうって聞こえて…。」
俺の言葉を聞いて、和成は顔をあげて言った。
「そうなんだ。…切ったら戻らないから、とりあえず、横わけとかにしてみれば?」
『また何があるか、わからないし…』
和成は、はっとして目をそらす。
和成がこんなに動揺するなんて、ものすごく心配をかけているな…。
もう、この話はしないほうがいいのかもしれない。
「そうする。…祐子さんに相談してみようかな。」
「うん…。」
それも心配だなって思ってそう。目を見なくてもわかる。
祐子さんは自由すぎる、って和成はよく言うし。
「あと、俺のこと、駅で待ってなくていいよ。もう大丈夫だから。」
「うーん…。」
信用されてないな…。
意を決したように、和成は俺の目を見て言った。
「あの人に、電車も合わせるつもり?」
『たった二日でそんなに浮かれて、大丈夫なんだろうか』
俺の驚いた顔を見て、和成は目をそらす。
…確かに、俺は浮かれている。
言葉を交わしたこともない人に、好意のようなものを感じて、心を奪われてしまった。
それもたった二日で。
でも…ダメだったときに俺がどうなるかなんて、わからないじゃないか。
…心配されすぎても、傷つくものだな。
「前髪は切らないで、何とかしてみる。ありがとう。」
そう言って、俺は保健室に向かった。
「今日も会えたんだ。よかったね…。」
『大丈夫だったかな…』
引きつったように笑って、和成は言った。
…やっぱり心配をかけてしまっているな。
俺は笑顔で言った。
「大丈夫だったよ…。」
そして、言うか迷ったが、和成を安心させたくて付け足した。
「今日は、ふわふわくんって呼ばれた…。」
言ってみると、やっぱり恥ずかしい。顔が熱くなる。
「へえ…、そうなんだ…。」
和成は、俺の顔を見て言ったが
『それって、やっぱり犬扱い…』
まで聞こえたところで、目をそらす。
和成に安心してほしくて、俺は言った。
「それでもいいような気がする。あの人は犬のことを、すごく可愛がりそうだから。」
…あの人に可愛がられたい…。
そう思ってしまって、俺の声は誰にも聞かれなくて良かったと思う。
「そっか…。」
和成は、俺から目をそらしたまま答えた。
安心させるどころか、余計に心配をかけてしまった気がする…。
反省しながら、和成と学校に向かって歩いていた。
これ以上何か言うと、心配に拍車をかけそうな気はしたが、
俺はどうしても和成に聞きたかった。
そして、背中を押してくれると嬉しいんだけど。
そう思いながら俺は言った。
「俺…前髪、切ろうかな。」
「え?」
和成は俺の顔を見たが、心の声は聞こえない。
驚きすぎて言葉にならなかったようだ。
「…何か言われたの?」
俺から目をそらして、和成は聞く。
「うん…どんな顔してるんだろうって聞こえて…。」
俺の言葉を聞いて、和成は顔をあげて言った。
「そうなんだ。…切ったら戻らないから、とりあえず、横わけとかにしてみれば?」
『また何があるか、わからないし…』
和成は、はっとして目をそらす。
和成がこんなに動揺するなんて、ものすごく心配をかけているな…。
もう、この話はしないほうがいいのかもしれない。
「そうする。…祐子さんに相談してみようかな。」
「うん…。」
それも心配だなって思ってそう。目を見なくてもわかる。
祐子さんは自由すぎる、って和成はよく言うし。
「あと、俺のこと、駅で待ってなくていいよ。もう大丈夫だから。」
「うーん…。」
信用されてないな…。
意を決したように、和成は俺の目を見て言った。
「あの人に、電車も合わせるつもり?」
『たった二日でそんなに浮かれて、大丈夫なんだろうか』
俺の驚いた顔を見て、和成は目をそらす。
…確かに、俺は浮かれている。
言葉を交わしたこともない人に、好意のようなものを感じて、心を奪われてしまった。
それもたった二日で。
でも…ダメだったときに俺がどうなるかなんて、わからないじゃないか。
…心配されすぎても、傷つくものだな。
「前髪は切らないで、何とかしてみる。ありがとう。」
そう言って、俺は保健室に向かった。