失恋ゲーム。
「次は、千夏。」
「はいはーい。」
ダルそう言ってに、こちらに向かって来る千夏という子。
ポケットに手をつっこんで、私をゆっくり舐め回すように見る。
そんな時間が、なんだかもどかしくて顔を伏せる。
「ふーん……。」
そう何か言いたげに、呟いた千夏。
「ねぇ、」
そう聞こえ、私は顔を上げる。
すると、千夏の顔が目の前にあった。
私は、驚いてポカンとしていると、
チュッ───……。
リップ音が、聞こえた。
「へ……?」
「千夏!」
私は、今怒ったことが解らず声を漏らす。
頭が真っ白になる、
それは、このことなんだろう。
だが、斗真くんの声を聞いてハッとした。
「はいはーい、すみませんー。」
また、ダルそうに謝る千夏。
「僕は、結城山千夏。よろしくしたくないけど、することになるんだろうね。」
よろしくしたくないけど、することになる……?
可愛い容姿のくせに、毒舌なのは結城山 千夏(ゆうきやま ちなつ)。
千夏くんの言葉に、私は首を傾げた。