失恋ゲーム。
愛される為に、作られたゲーム。
「愛される、為……?」
私は、ポツリと呟いた。
「そう。今回、その主人公プレイヤーが結愛ちゃん。
君だよ。」
私を、ただただ見つめる斗真くん。
「え……?」
訳が分からなくなり、混乱してしまう。
「……1から説明しようか。」
そう言って、ずっと立っていた斗真くんは椅子にゆっくり腰かけた。
「このゲームはね、八尋のお姉さんが作ったんだ。」
八尋くんの、お姉さん……?
「八尋のお姉さんは、結愛ちゃんと同じように失恋したんだ。
失恋の痛みを押さえたかったけど押さえきれなくて作ったゲームがこのゲーム。
“誰からも愛されたい”そう思ってしまったんだ。」
「……。」
私は、ただ黙って聞いた。
八尋くんをチラリと見ると肘をつき、目を瞑っていた。
「八尋のお姉さんは、男、6人と女2人集めたんだ。
男は、自分が愛される為に。
女は、愛されている所を見せつける為に用意されたんだよ。」