失恋ゲーム。
そう言って苦笑いした斗真。
「じゃあ、早速行こうか。
服とかどうする?今からでも買いにいけるけど……。
家に帰る?」
「…買いに、行きたいな。」
最近、またお金を貰った。
そう、“お金は沢山貰った”んだ。
「……そっか。じゃあショッピングモールでついでに晩ご飯も食べようか。」
そう言って、スマホを取り出した。
「タクシー呼ぶよ。待ってて。」
と、生徒会室を出ていった。
「ねー、結愛ー。」
私は、斗真を見送る。
すると、千夏が甘ったるい可愛い声で近寄ってきた。
「ど、どうしたの?千夏……」
なんだか、さっきので少し警戒してしまう。
「そんな警戒しないでよ……さっきのはごめんね。
僕とも仲良くしてよ。」
ね、っとニッコリと笑った千夏。
なんだかその笑顔を見て気を緩めてしまう。
なんだ……千夏、いい子なんだ……。
「うん、仲良くしようね。」
そう言うと、千夏はパァっと顔を輝かせた。
「わー!ありがとうー結愛!」
と、抱きついてきた。
「あー、千夏、ずりーな!」
と、瑠樹が声を上げた。
「いーでしょー!」
と、明るい声が耳元で聞こえた。
私が気を緩めて抱きついたままにしておくと、千夏は私の耳元に顔を近づけた。
「なぁんてね。騙されすぎ。
襲われてぇの?」
そう耳元で、低い声が聞こえた。
ただの低い声じゃなくて、色気の混じった声だ。