失恋ゲーム。
*斗真side*
「瑠樹、瑠樹。」
スヤスヤ、と気持ち良さそうに眠る瑠樹を申し訳なさそうに起こす結愛ちゃん。
「……んあ?」
少し目を開いた瑠樹だがまだ寝ぼけている。
「瑠樹、ついたよ!」
先程よりも大きな声で起こしている。
「んー、ポチ~。」
すると、そう“ポチ”というものと間違えたのか瑠樹は結愛ちゃんに抱きついた。
「る、瑠樹!?起きて!」
俺は、結愛ちゃんたちに小走りで近づく。
「ごめんね、結愛ちゃん。
変わるよ。」
そう言って、俺は結愛ちゃんから瑠樹を離した。
「あ、ありがとう……斗真。」
「いーえ。八尋達についていきなよ?」
俺は、八尋達を見た。
「……うん、そうする。」
間をあけ、何かを訴えようと口を開いた結愛ちゃんだったが、顔を歪ませて口を閉じた。
返ってきた言葉が、この言葉でどこか安心してしまう。
「うん、ほら行きな。」
俺は、瑠樹を見つめて言う。
「うん、ありがとう。瑠樹を宜しくね。」
そう言って、買っていた可愛らしい靴をコツコツといわせながら、八尋達のもとへ向かっていた。
「今夜は、月が綺麗だよね、瑠樹。」
俺は、瑠樹に話しかけた。
瑠樹は、ニッコリ笑顔を作る。
「あぁ、そうだな。」