失恋ゲーム。
「……このゲームに、結愛ちゃんは参加しないと思ってた?」
「否……あの子は、参加する子だよ。
最高のゲームにしたい、なんて言ったら尚更。」
落ち着いた、独特の雰囲気を出す瑠樹。
このメンバーの中で、一番落ち着いているのは瑠樹だ。
「そろそろだっけ?」
「うん、だけど3日程だからすぐ帰るよ。」
「3日は、長いよ。
皆、瑠樹が居ないと寂しがる。」
そう言うと、瑠樹は声を出して笑った。
小さな声で。
「嫌味?」
「そんな訳ないよ。俺も本当に寂しいと思うよ。
いつも、このメンバーだからね。」
瑠樹は、車から出る。
ありがとう、っと小さな声で言い車を見送った。
「このメンバー……仲悪いよね。」
そう言われて、俺は瑠樹を見る。
「そんな事ないよ。
皆、仲が良いよ。それが見えないだけでね。」
今夜は、満月だ。
あぁ、嫌な満月だ。
キラキラと輝く星と共に、堂々とその場所に居座る月が羨ましいとも思った。