失恋ゲーム。
部屋の角に行き、名前を見る。今日は、ミカか。そう思いながら、僕は電話にでた。
「もしもし?」
「あ、やっと出てくれたぁー」
待ちくたびれた、と言う感じで話す女。語尾にハートマークが出てきそうなくらいの甘ったるい声。気持ち悪っ。
「ごめんねー、ちょっと用事があってさー。」
とっさに、嘘をつく。ん?否、嘘ではないか。ん?嘘なのかな?
なんて、どうでもいい事を考える。
「そっかぁ。ねぇー、今日遊べるー?」
「なんの遊び?」
なんて、少しからかってみる。僕の周りにいる奴がどれだけ醜いか。結愛が可愛い。
「もう……っ、意地悪しないでよー。」
「は?意地悪なんかしてないよ。なにするか、だけじゃん。」
ほら、ね。僕の思うつぼだ。僕は心の中で、女をせせら笑う。
「……楽しいこと、しよ?」
もう、何をするかなんて決まっている。分かりきっている。あぁ、したくない。したくない。だけど、しなきゃ怖くなる。
「うん、いいよ。いつもの時間と場所でね。」