失恋ゲーム。
ドンッ────…。
壁と、茶金髪に挟まれてしまった。壁がゴツゴツしているから、痛い。茶金髪の吐息がかかる。
「な、何よ…!」
強気にならなきゃ、負ける…!
負けず嫌いな私は、そう思ってキッと男を睨んだ。
すると、茶金髪は口元を少し緩めて笑った。
「お前、強がりすぎ。涙目になってるじゃん。」
「う、嘘…!」
私は、目を軽く擦った。
「おせぇよ。」
そう言って、口角を上げた茶金髪。な、なんか悔しい…!
「…畑石結愛。お前を失恋ゲームのプレイヤーとして任命する。」
は…?
突然の発言に頭が真っ白になる。頭をブンブンと振って正常にさせる。
「し、失恋ゲーム…?て、ってか!なんで私の名前知ってんのよ!」
笑いながら、言ってきた茶金髪。少し見とれてたなんて事はない。うん、絶対にあり得ない。
「まぁ、それは後でだな。行くぞ。」
と、無駄に長い足を動き出した。
「ちょ、ちょっと待ってよ!行くって何処に!?」
私は、小走りでついていく。
「…黙ってついてこれば、分かるからついてこい。」