失恋ゲーム。
小さくなった手紙。最早、手紙と言えない。言ってるけど。
「結愛!毎日、なんでおいていくんだよー。」
ふ、と。瑠樹の声が聞こえた。
「だって、瑠樹たち遅いもん。私、遅刻するじゃん。」
「あれ?俺、結愛ちゃんに言ってなかったけ?」
と、髪の毛を手で少し触る斗真。え、何を?
「このゲームをやっているプレイヤーは、テストで全教科平均点をとれば欠席、もしくは遅刻しても欠席、遅刻扱いにはされないんだよ?」
「はぁ!?誰が考えた……って、理事長か。」
「うん、八尋に頼ませた。」
そう言って笑う斗真。授業に参加しなくてもいいのは知ってたけど、まさか学校に来なくてもいいなんて……。なんか、このゲームがよくわからない。
「平均点、かぁ……。」
ポツリ、呟く。
「なぁに?結愛ちゃん。勉強不安?」
クスリと笑う斗真。よく笑うなぁ。
「私、得意な教科の点数で苦手な教科の点数をカバーしていたから……大丈夫かなぁって。」
「あ、そんなに不安にならなくて大丈夫だよ。全教科、って言っても合計点が平均点以上だったらいい話だから。」