失恋ゲーム。

じゃあ、大丈夫かな。私は、ホッとして上履きを取る。そこでハラリと落ちた黒い封筒だったものと白い手紙だったもの。少しだけ、落ちてしまった。

あ、ヤバイ。否、ヤバくない?どっち?

「ん?結愛、なんか落ちたよー?本当に、おっちょこちょいだね。」

「え、あ!うん!ってか、おっちょこちょいは余計!」

千夏に言われて慌てて拾おうとすると、手の中にあったもの全部が落ちる。

「何これ?まさか、ラブレター?うわ、送った相手趣味悪いし、結愛はこんなビリビリにしてる。」

「ちがっ!ラブレターなんかじゃないし!」

慌てて、千夏に言い返す。千夏はどうだかーっとふざけて笑い1枚の紙切れを手に取り、眉を潜めた。

「ねぇ、これどういうこと?」

そこには、

“ムカつく”

その言葉があった。うわ、なんでこんな上手に残ってんだ。もうちょっと破っておけば良かった。

「いや、別に?」

と、顔を皆に合わせないようにする。

「結愛。」

低い、甘い声。やけに、耳に残る斗真とは違うまた落ち着いた色気を含む声。


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