失恋ゲーム。

「や、ひろ……。」

なんだろう、息がしにくい。苦しい。

「正直に言えよ。俺は、お前に辛い思いはさせたくない。」

でも、それは私だけじゃなくて。八尋も凄く辛そうで苦しそうで。

「ぁ……、」

私、こんな顔させてたんだって思うと申し訳なくなる。

「ご、めん……。なんか、さ。嫌がらせではないけどちっちゃいイラッとくる手紙が来てただけ。だけど、私は大丈夫だから。」

なるべく、皆に心配かけないように。声を弾ませて話す。

私は、辛くないから。大丈夫だから。ねぇ、そうでしょう?

「結愛、」

「ねぇ、もう行こうよ。今日はサボってみようかなー!生徒会室に行こ!」

八尋に何も言わせないようにする。八尋には、なんでも見透かされてそうで怖いから。

私は、紙切れを手でギュッと見えないようにした。紙の角が当たって痛い。

だけど、こんなのどうだっていい。

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