失恋ゲーム。
*ミラside*
…よく、似ている。あの人に。その、綺麗な長い黒髪も。パッチリしてるけど垂れてる目も。小さな鼻も。プルンと艶のある赤い唇も。
「なぁー、姫さんよ~。」
「ん?」
姫さんのことは、名前で呼べない。あの人と被ってしまうから。
「ほい、これ~。」
そう、渡したのはイチゴ味のアメ。キョトンと不思議そうにアメを見つめている姫さん。
「え、?くれるの?」
「おうよ~。疲れてんだろ?ちったぁ、休めよ~。」
そう言うと、目を細めて笑った。ドキリとする。
「ありがと!」
「んー。」
俺は、姫さんの頭をポンポンと撫でた。本当、あの人によく似てる。
姫さんは、頑張る奴だかんなぁ。ちったぁ、休んでほしいけどやすんでくれねぇんだろうな。
俺はポケットから、キャラメルを出した。視線を感じると思い、視線の先を見ると結愛と目が合う。
「どしたー?」
「否、ミラってずっと甘い物食べてない?」