失恋ゲーム。
小さな細い指がキャラメルを指す。
「まぁな~。」
「なんか、意外だね…。ミラって大人っぽいからお菓子とか食べなさそうなのに。」
また、心臓が痛い程に大きく動く。気持ちわりぃ……。
「…おう…。」
俺は、小さなキャラメルを見た。長方形の中に入っていた正方形のキャラメル。凄く甘い。
「ミ、ラ…?」
心配そうな声が聞こえて俺は、姫さんの顔を見た。いつものように笑顔で。
「俺、依存してんだよな。甘いもんに。」
「え…?」
そういえば、生徒会に行く途中でアイツ等は先に行っていた。気ぃつかってくれたんかな~。…なーんて、な。
俺は、キャラメルの紙を外し口の中に入れた。何度食べてもこの味は甘すぎる。
クシャリ、紙を握りグシャグシャにする。手をポケットに突っ込んで
「行こうか、姫さん。」
そう、一言だけ言って俺はゆっくり歩き出した。
姫さんも、俺の隣に来てゆっくり歩き始めた。
*ミラside end*