失恋ゲーム。
お父さんは、優しく笑った。あれ、お父さん背が小さくなった?目線が近くなったような気がする。……まだまだだけど。
「追い出されたんだ、アイツに。」
優しい顔なのに怒りを含んだ声が嫌になる。皆もこの声は、初めてみたいで少し驚いている。
「あ、アイツ……?」
千奈美ちゃんが小さく、か細い声で言った。
「……結愛、言ってないんだね。」
耳元で小さく呟かれ、小さく頷く。皆に言える訳ない。言ったら、皆と一緒に居れない。
「やっぱり、なんでもないよ。ごめんね。」
そう言って笑い、何しに来たんだっけ?っと話を逸らした。皆は、逸らしたことに何も言わずテストのことについて、言い始めた。
「理事長ー、テストは早めにしてよねー。」
タメ口だけど、決して私のように毒を吐かなくて千夏が、いい子に見えてきた。
「ごめん、ごめん。でも、君たちなら簡単だろ?」
と、ポケットから出した折られた紙。それを広げてみると、“由比ヶ丘”という私たちの学校の名前と、二学年中間テスト結果という文字かあり確認すると、
8人の名前と私の名前が上位に上がっていた。
「これはね、生徒には非公開のものなんだけどね。生徒会かこのゲームに参加している人だけが見れるんだ。」