失恋ゲーム。
「こいつね……。」
ポツリ、小さな声で呟いた美歌。すると、思わぬ速さで結愛ちゃんの首を掴んだ。
結愛ちゃんは驚いている。あぁ、駄目だ。
「やめろ……っ!美歌……っ!やめろ!!」
「貴方が悪いのよ?私を裏切るようなことをするから。」
そう、美歌が言い終わった後にギリッと握り潰されるような音がした。
それで、呻いたのは結愛ちゃんではなく、
「痛っ!!」
美歌の方だった。腕を八尋に捕まれている。骨がキシキシと聞こえる。
「や、めて……離してよ!!」
苦痛に顔を歪める美歌。結愛ちゃんはゴホゴホと咳き込み周りには宇美ちゃんや瑠樹など、皆がいる。
八尋は、ギロッと美歌を睨んだ。それは、凍りつくような睨みだった。
「ここだけじゃなく、この学校は部外者は立ち入り禁止だ。それに、結愛の首を絞めた。どれだけお前が自由なお嬢様でも、それなりの罰は喰らう。」
低く、低く。それは、俺の聞いたことのない声だった。