失恋ゲーム。
「お前は、どれだけ斗真に依存してるんだ。いい加減、解放してやれ。」
「は……っ!斗真と私は愛し合ってるの!依存じゃないわ!」
片方の手で、前髪をかき揚げた。焦っているように見える。
「そんなの、お前に合わせてるだけだ。自惚れるのも大概にしろよ。」
強い口調。まるで、“No”とは言わせないような言い方。それに、凛々しい顔。
俺には全部、ないもの。八尋には敵わない。
フラリ、目眩がしながらも立ち上がる。
「美歌、ちょっと出ていってくれ。話は後でしよう。」
「なっ……!斗真!」
「中島さん、これは俺からの命令です。出ていってください。」
こんな、親から貰った“権力”でしか俺は強くなれなくて。少し、悲しくなった。
「っ、はい……。」
そう、静かに美歌は出ていった。俺は意識して笑って見せる。
「結愛ちゃん達に教えなきゃね。俺のこと。」
俺と美歌の関係。俺の家のこと。
“権力”で強くなるんじゃなくて、自分の“力”で頑張りたい。