失恋ゲーム。

と、私は手で口を押さえた。少し息がしづらい。

「おせぇよ、サボるんなら上手くサボれ。

後、お前重いな。」

な……!

私は、全身が暑くなるような感覚がした。

「う、うるさい!」

私は、茶金髪の胸板を軽く叩いた。

「お前がな。」

そう、素っ気なく言う茶金髪。その言葉で私は言葉がでなくなる。

……こいつは、人を苛つかせる天才かもしれない。

「……ついたぞ。」

そう言われて、私はゆっくり降ろしてもらった。ふぅ、とため息をつき目の前をみる。

「え?」

目の前には、焦げ茶色のドア。看板のようなものがあり、そこには丁寧な字で“関係者以外、立ち入り禁止。”そう書かれている。

そして────。

そのお洒落な焦げ茶色のドアにはプレートがあり、そこには……

“生徒会室”

と、彫られてあった。

「生徒会、室……?」

私は、驚きを隠せず唖然としてしまう。

「ほら、入るぞ。」

まるで、当たり前のように言う茶金髪。

「え、待って……!そこに書いてるじゃん!

関係者以外立ち入り禁止って!あんたも私も入っちゃいけないのよ!」

そう、私は焦りながら言うと茶金髪は目を見開いた。でも、すぐに真顔に戻りため息をついた。

「俺は、ここの関係者だ。それに、お前も関係者になる。」

「えっ、ちょ……!」


< 6 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop