失恋ゲーム。
美歌は、鞄から小さな“何か”を取り出した。それは、俺達の関係を切り裂くもので。
「死ねっ!!」
ヒュッと、音がした。凄い早さで動く前には。
「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」
彼女の腕からは、ドクドクと血が出ていた。涙を流す彼女。その目の前に、彼女の返り血を浴びた美歌が怪しく、だけど嬉しそうに笑っていた。
「何してるんだ!」
彼女の声を耳にした教師が、走ってきた。ここは、あまり人が通らない道。美歌にも都合が良かったかもしれないが、声が響く所なので学校にも聞こえたんだろう。
俺は、ただ立ち尽くすだけ。大切な彼女を傷付けた。彼女に、先生が駆け寄る。
美歌は、頬に返り血を付け俺を抱き締めこう言った。
「逃がさない。斗真は私のもの。
斗真、愛してるわ。」