失恋ゲーム。
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彼女は、腕を4針も縫うことになった。そして、彼女に泣いて別れを告げられた。俺を怖がるような目で。
この事は、問題にならなかった。それは、美歌の親と俺の親の“権力”で。凄く腹が立った。
それからは、誰も好きにならないようにした。美歌だけを愛すように。だけど、それは無理な事だった。
美歌の事を考える度に、彼女の腕から流れる血を思い出す。美歌の言葉も。
吐き気や頭痛がして、外に出ることが怖い。俺は、精神科に行くのを進められた。
精神科に行くと、通院すること。それと薬を渡された。
自分が、情けなくなった。俺は、薬が無いと何も出来なくなった。
だけど、俺が薬に頼る一方。父親の会社は、昔より大きな規模になり商品は海外にまで行くようになった。
それと、美歌の婚約の約束の日も日に日に近づく。
その“重み”が、俺に大きな負担を与えたんだと思う。なるべく、美歌に会わないように遠くの学校を選んだ。
そしたら、幼馴染みの八尋達もこの学校にしてくれて。家にも帰りたくない俺は、この失恋ゲームに参加した。