失恋ゲーム。
*結愛side*
苦しくて、重くて、暗い海の底は。油断したら敵にすぐ、襲われてしまう。だから、気が抜けない。
早く、地上に戻らなきゃ。だけど、沢山の敵が邪魔をして疲れる。
「斗真……、」
だから、そんな時はアイテムを使う。“友達、仲間”というアイテムに“頼る”の。一人で出来なければ、皆でやる。
「私を、私たちを頼って……。一人で解決しようとしないで……。」
その為の、“アイテム”なんだから。たまには海の底でも息抜きしましょう?
「八尋も、瑠樹も、千夏も、ミラも、ナチも、宇美ちゃんや千奈美ちゃんだって。
頼って欲しいの……私たちに。何かの役に立ちたいの……。」
斗真は、苦しそうに顔を歪ませる。斗真は、甘えることが苦手なんだよね……。
「じゃあ、私たちからのお願い……。私たちを使って。頼って。」
斗真の腕を掴む。その腕は凄くか弱い気がした。
「斗真……っ!」
「っ……ねぇ、皆……。」
口を開いて、か細い声で言った。皆は耳を傾けて、
「どうした?斗真。」
そう、優しく聞いている。
「助けて……っ、俺を……助けてっ、ください……!」
下を向いて涙を流す斗真。ふわふわの髪の毛が私の腕に当たった。