失恋ゲーム。

やっと、欲しかったその言葉。凄く、嬉しくなった。

男の子にしては、少し大きめの目は、泣いて腫れぼったくなって。女の子が羨ましがるきめ細かい肌は涙に濡れている。

「勿論……!……最後に、斗真。」

私は、斗真に笑って見せる。これが、私にできることだから。

「笑って?いつもの優しい笑顔で、ね?」

そう言うと、斗真はビックリして口が少し開いた。だけど、嬉しそうな雰囲気で、薄い唇を開けた。

「っ、……結愛ちゃんは期待させるのが上手だね。」

頬が上がって、目をほんのちょっぴり細めた。左にある泣きぼくろが頬と一緒に少し上がる。

期待……?よく、わからない。首を傾げると、分かってないね。っと笑われた。その顔を見て嬉しくなる。

「斗真は、一番その顔が似合うよ!」

人は、一番笑顔が似合うからね。

「じゃあ、そろそろ美歌さんと話そうか。」

ポツリ、呟いて少しだけ雰囲気に緊張感が走った。だけど、皆は笑って頷いた。

「斗真、美歌さん……呼んでくれない?」

「う、ん……。」

少し怖いのか、言葉に詰まってる。ねぇ、斗真安心して。女の子ってね、難しいように見えて皆、同じような子だから。


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