失恋ゲーム。
ポケットから、スマホを出した斗真。ゆっくり、慎重に操作している。
美歌さんの番号を見つけたのか、スマホを耳に近づけた。部屋は、シーンとしていて今から家に帰る子の笑い声が聞こえた。
少し、小さな声が聞こえた。美歌さんが電話にでたんだと思う。
「も、しもし。生徒会室に来てくれない……?
……うん、待ってる。」
ほんの、少し。苦しくなった、斗真の過去を聞いて。私は、この体験をしていない。だから、薄情で少ししか苦しくならなかったんだと思う。
斗真は、スマホをポケットに直した。
「来るよ、美歌。」
「うん、」
私は小さく頷いた。ねぇ、斗真。斗真は美歌さんと、どういう関係になりたい?
*
少し時間が経った。すると、カチャっという音がした。私は扉を見る。
風が、吹いた。美歌さんの茶色の髪が靡(なび)く。
「美歌、」
何か言いたげにしている斗真。だけど、言葉に詰まっている。
「斗真は……昔から私のものなの。
斗真の隣は、私なの。」
ポツリ、ポツリ、小さく弱い声。さっきのような強気な声はどこに行ったんだろう。
「美歌さん……。」