失恋ゲーム。

茶金髪は、私の意見も聞かずにドアを開けズカズカと進んでいった。部屋には、紅茶の香りがしていて凄く落ち着く。この匂い、凄く好き。

「──あぁ、来たんだね。

お疲れさま、ナチ。」

柔らかい、落ち着いた声。茶金髪の低い声とはまた違う、優しい低い声。茶金髪が前にいることでその人の顔が見れない。ナチ、とはこの茶金髪のことを言うんだろう。

「ん。」

素っ気なく返すが、何処か優しさがある声。それを聞き、この人は今喋っている人を随分、信頼しているんだっと察した。

「ナチもお菓子食べる?用意したけど。」

「食う。」

と、そう聞かれ移動したナチ。そして、私の視界が明るくなった。

「結愛ちゃん、ようこそ。

───生徒会へ。」

そこには、6人の男の子が居た。

周りを私は見渡した。

随分と、お洒落で学校にないようなものが置いてある。ソファ、冷蔵庫、棚、丸いガラステーブル、テレビ、しまいには、テレビゲーム機とDVDが散らばっていた。

「ごめんね、散らかってて。」

苦笑いして、話すのはさっきの柔らかい、落ち着いた声の人。眼鏡をかけて、生まれつきのようなダークブラウンの髪。
優しそうな声に似合った、優しそうな雰囲気。



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