失恋ゲーム。
「頑張ろーね。」
そう、千夏は歯を見せて笑った。
「うん、」
「では、次に生徒会の皆さんからです。」
高い女の子らしい声が聞こえ、皆は一斉に立つ。私も釣られて立った。
ペタペタと音がする。さっきまで騒がしかった体育館は一気に静まる。
一番最後の私。凄く、注目を浴びてるような…。そう、呑気に思いながら生徒の方を向いて息を呑んだ。
沢山の目が私たちを見ている。それを見て、気持ち悪くなる。皆はいつもこんな所で話してるの…?素晴らしいわ。
なんて、皆を心の中で褒める。
「今回は、僕たちの自己紹介をしようと思います。」
ニッコリ爽やかな笑顔で笑う斗真。なんで、そんな余裕なの。
そう思いながら、皆の自己紹介を聞く。それぞれが、個性的に自己紹介していて少し面白く思った。
「では、次にもう1つ、お知らせがあります。」
急に、真面目な顔になった斗真。空気が一瞬でピリッと緊張が走った。
「凄い…。」
思わず、小さく呟いた。こんな大勢の人と大きな空間と楽しかった雰囲気をたった一言と表情で変えるなんて…。
「僕たちは、ある“ゲーム”をしています。そのゲームの名前は“失恋ゲーム”。」
そう言うと、一瞬ざわめき始めた。すると、
「静かに聞こーぜ!大事な話なんだ!」
そう、笑顔で叫んだ瑠樹。皆の顔を見渡すようにキョロキョロと体を動かしている。