失恋ゲーム。

「え、あ、いえ……。」

色々いきなりすぎて、戸惑って言葉に詰まる。

「戸惑ってるよね。」

ごめんねっと、また謝ってくる。凄く、優しい人かもしれない。

「説明するから、そこに座ってくれる?」

指されたのは、近くの1人用ソファ。凄くフカフカしてそう……。

「あ、はい……。」

私は、ゆっくりと座った。

「ジュースか紅茶かお茶。

どれが良い?あ、遠慮しないでね。」

ニッコリ笑ってくれる優しい雰囲気の人。紅茶が好きだけど……疲れたのか甘いジュースがほしかった。

「え、っと……ジュースで……。」

「ん、わかった。じゃあ、八尋。

説明しなよー。」

そう言って、グラスを取る。窓から入った太陽の光でグラスがキラキラと輝いて見える。

「ん。」

八尋、そう呼ばれて反応したのは黒髪の男の人だった。優しい雰囲気の人とはまた違う、落ち着いた人だ。

「……畑石、結愛……であってるか?」

私の顔を……否、目を見て話す黒髪の人。真っ直ぐな視線で。悪い気は、しないのだが何故か反らしてしまいたくなる。

「あ、はい。大丈夫です。」

「そうか……。急に連れてきて悪かったな。」

チナに、悪い印象を持ったからこの人も悪い人なのかなと思っていたけどあんがい良い人、かも……。

「いえ……あ、あの名前を……。」

名前がわからないと、どう呼べば良いかわからない。




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