【短編】闇
「こんにちは。」
彼女は、そう言った。
彼女は、俺とは違う光の世界から
俺を見ている。
彼女は、俺の事を全てわかって
くれているような暖かい声で
話しかけて来る。
「寂しかったんでしょ?苦しかったんでしょ?誰かと話したかったんでしょ?見付けて欲しかったんでしょ?誰かに、助けて欲しかったんでしょ?」
彼女は、俺の思っていた事を
全て、いい当てた。
「いいよ。私が助けてあげる。」
彼女は、そう言うと俺に
手をさしのべた。
だけど、俺は動けない。
この、暗い場所から抜け出せないんだ………。
彼女は
ニッコリと微笑んで
「大丈夫。」
と言った………。