彼と私の距離
図書室にはすでにたくさんの生徒がいた。
その中に悠斗の姿を見つけた。
そして、その隣に座っているのは小松さんだ。
この前は逃げ出した。
でも今日は逃げないんだ。
髪だって黒くした。
悠斗の為にお弁当だって作ったもん。
私だって悠斗の隣に並んでいいはず。
「悠斗!!お弁当作ったんだ!いっしょに食べよう?」
「麻紀!?なんでいるの?てか今から補修だから。」
そう言って悠斗は立とうとしない。
「でも!お昼食べてからでしょ?……パン置いてあるじゃん。別に昼食べてすぐ戻ればいいじゃん!」
私は悠斗の肩を揺さぶる。
悠斗はため息をつく。
「……あの。悠斗クン行ってきたら?まだ始まるまで少し時間あるし……」
小松さんの言葉に私は引っかかってしまう。
北村クンじゃなくて、悠斗クン。
私はどこまで嫉妬深いんだろう。
でも私だって引けない。
「悠斗!」
はぁーっと深いため息をついて悠斗は立ち上がる。
「ちょっと行ってくる。」
そう小松さんに言うと
「うん。」
と小松さんは頷いた。
なんだこれ。
なんなんだよ!悠斗の彼女は私なのに。
お弁当を持つ手にギュッと力をいれる。
今にも泣いてしまいそうだったから。
図書室の隣の屋上へと続く階段で私と向き合う悠斗の顔は、迷惑だ。と言っているようだった。
「……麻紀。こういうのいいから。」
「なにが。」
「弁当。いつも昼休みは適当に食ってあとは勉強してるから。」
「でも今日せっかく作ったし。」
私はそう言ってお弁当を悠斗に押しつけた。
私の。
私の気持ちが抑えられなくなる。
言ってはダメだって頭ではわかっているのに。
「……っていうかさ!朝早く頑張ってお弁当作ったんだしそんな嫌そうにしなくてもよくない?それに、髪だって黒くしたのになんも言ってくれないじゃん。悠斗の為にしたのに。」
「俺はなにも頼んでない。お前が好きでやってる事だろう。」
確かにそうだよ。
私が勝手にやったこと。
でも私なりに悠斗の事想ってしたんだよ。
それが、自己満足なんだって突きつけられる。
悠斗が大好きだから
尽くしたいんだけど、不器用で
できない。
尽くしたくてもつくせない。
こんなに悠斗が大事なのに。
小松さんならきっと、悠斗の嫌がることはしないんだろうな。
あぁもう。
私には悠斗をつなぎ止めて置くほどの魅力は何もない。
「……もういいよ。離れたいなら行けば?小松さんならきっと、悠斗とつりあうし。もう私は。」
悠斗に押しつけたお弁当を強引に取り戻す。
「もう私は、悠斗を追いかけたりなんかしない。」
「麻紀!」
後ろから聞こえるけど私は、止まらない。
階段を降りてすぐのゴミ箱に、私と悠斗のお弁当箱を捨てた。
ごめんなさい。食材さん。
食べ物を粗末にしてごめんなさい。
ごめんなさい。お弁当箱。
まだ使えるのに捨ててごめんなさい。
お父さんごめんなさい。
物を粗末にしました。
本当は、こんな惨めな私と、私の気持ちを捨てれればいいのだけど。
それはできないので、ごめんなさい。
私は教室へ行くとカバンを取り帰った。
もう一分でも悠斗の近くに居たくないし、顔も見たくない。
私はまた逃げ出してしまった。
その中に悠斗の姿を見つけた。
そして、その隣に座っているのは小松さんだ。
この前は逃げ出した。
でも今日は逃げないんだ。
髪だって黒くした。
悠斗の為にお弁当だって作ったもん。
私だって悠斗の隣に並んでいいはず。
「悠斗!!お弁当作ったんだ!いっしょに食べよう?」
「麻紀!?なんでいるの?てか今から補修だから。」
そう言って悠斗は立とうとしない。
「でも!お昼食べてからでしょ?……パン置いてあるじゃん。別に昼食べてすぐ戻ればいいじゃん!」
私は悠斗の肩を揺さぶる。
悠斗はため息をつく。
「……あの。悠斗クン行ってきたら?まだ始まるまで少し時間あるし……」
小松さんの言葉に私は引っかかってしまう。
北村クンじゃなくて、悠斗クン。
私はどこまで嫉妬深いんだろう。
でも私だって引けない。
「悠斗!」
はぁーっと深いため息をついて悠斗は立ち上がる。
「ちょっと行ってくる。」
そう小松さんに言うと
「うん。」
と小松さんは頷いた。
なんだこれ。
なんなんだよ!悠斗の彼女は私なのに。
お弁当を持つ手にギュッと力をいれる。
今にも泣いてしまいそうだったから。
図書室の隣の屋上へと続く階段で私と向き合う悠斗の顔は、迷惑だ。と言っているようだった。
「……麻紀。こういうのいいから。」
「なにが。」
「弁当。いつも昼休みは適当に食ってあとは勉強してるから。」
「でも今日せっかく作ったし。」
私はそう言ってお弁当を悠斗に押しつけた。
私の。
私の気持ちが抑えられなくなる。
言ってはダメだって頭ではわかっているのに。
「……っていうかさ!朝早く頑張ってお弁当作ったんだしそんな嫌そうにしなくてもよくない?それに、髪だって黒くしたのになんも言ってくれないじゃん。悠斗の為にしたのに。」
「俺はなにも頼んでない。お前が好きでやってる事だろう。」
確かにそうだよ。
私が勝手にやったこと。
でも私なりに悠斗の事想ってしたんだよ。
それが、自己満足なんだって突きつけられる。
悠斗が大好きだから
尽くしたいんだけど、不器用で
できない。
尽くしたくてもつくせない。
こんなに悠斗が大事なのに。
小松さんならきっと、悠斗の嫌がることはしないんだろうな。
あぁもう。
私には悠斗をつなぎ止めて置くほどの魅力は何もない。
「……もういいよ。離れたいなら行けば?小松さんならきっと、悠斗とつりあうし。もう私は。」
悠斗に押しつけたお弁当を強引に取り戻す。
「もう私は、悠斗を追いかけたりなんかしない。」
「麻紀!」
後ろから聞こえるけど私は、止まらない。
階段を降りてすぐのゴミ箱に、私と悠斗のお弁当箱を捨てた。
ごめんなさい。食材さん。
食べ物を粗末にしてごめんなさい。
ごめんなさい。お弁当箱。
まだ使えるのに捨ててごめんなさい。
お父さんごめんなさい。
物を粗末にしました。
本当は、こんな惨めな私と、私の気持ちを捨てれればいいのだけど。
それはできないので、ごめんなさい。
私は教室へ行くとカバンを取り帰った。
もう一分でも悠斗の近くに居たくないし、顔も見たくない。
私はまた逃げ出してしまった。