忘れない物語
旧校舎へは数分でついた。

「あの…見るからに何か出そうな…」

「お前もしかして…ってそんなこと言ってる場合じゃないだろ……。はあ、しょうがないなぁ」

先輩は私に、

「離れんじゃねぇぞ」

と言い旧校舎の中へと入った。

中はとても暗くて日差しだけが通路を照らしている。

「おい、ちひろ床とか気をつけろよ!」

えっ?!なんで呼び捨て!?と、思っていると先輩が

「呼び捨てじゃダメか?」

と聞いてきた。

「そ、その逆にうれしい位なんですけど、その呼び方はあまりされないんで
少しビックリして…」

「ちひろも俺のこと下の名前で呼んでいいから。あと、敬語とかも使わなくていいから。」



私は小さく頷いた。
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