真のキズナ-honto no kizuna-
「痛…っ」と呟いた女の子の目は、もう涙目になっていた。
それでもやめると言う事を知らない舞華は、周りでボーッと見ていた私、彩、沙羅、真希のグループ内の人にも
「ほら、皆も!」
と言いながら、私達にそれぞれ1つずつ、ボールを軽めにパスして来た。
皆は仕方ないと言った感じで投げる。
私は、ボールを投げずにギュッと強く握り締めていた。
私達がしてるこの行為は、どんな事なのか、理解は出来る。
そう、“いじめ”だ。
しかも、結構悪質な。
最初は、上靴や教科書や体操服を隠したり、捨てたりと言った行為だったが…
それが段々悪化し、エスカレートして行って、今はそれが暴力と言う形になった。