フルート吹きの魔法使い
「って言うかわたしの世界には、魔法と言うもの自体存在しないんです!」
その言葉にモールはまさか、といった信じられない表情を見せた。
「逆に聞きます。ここはどこなんですか?」
「ここかい?ここはアルデハラ国の城下街、ウィルムの南にあるデルンの森というところさ」
「あ・・・あるではら?」
「・・・お前さんがこの世界の者でないとしたら、さっぱりわからんだろう?」
はい。
変なカタカナばかりでわかりません。
ヨーロッパとかアメリカとかならわかるんですが。
そんな国も街の名前も聞いたことありません。
「聞いたことない・・・。やっぱりここは日本・・・いや地球じゃない・・・」
るりは頭を抱えた。
どうして?
私死んだんじゃないの?
なんで、なんで私はこんなよくわからない世界にいるのよ・・・。