フルート吹きの魔法使い

グレイの部屋は少し薄暗い。

部屋一面に大量の本が乱雑に積み重ねられて、窓も大量の本で隠されているからだ。
本棚はあるのに適当に置かれている為、本棚の意味を成していない。

そして、全体的に散らかっている。
るりはついついその光景が凄すぎて、目が点になってしまった。


これが噂の片付けられない女ってやつ?
顔は綺麗なのに、残念・・・・。


「は・・・はい。お布団が気持ちよすぎて、爆睡しちゃいました。しかし凄い部屋ですね」

「ああ、すいません。片付けようと思っているんですが、なかなか出来なくて。良く眠れたならいいですね。・・・ではこれからここの事を説明していきましょうか」


グレイはるりを椅子に座るように促す。
テーブルには薄暗いからか、昼でもローソクの明かりが照らされている。


< 104 / 270 >

この作品をシェア

pagetop