フルート吹きの魔法使い
「ところで、その横にあるものはなんだい?」

悩むるりを尻目に、モールは横に置いていたフルートを指差す。

「え?ああ、これは楽器です。フルートっていう・・・」

「楽器?」

どうやらこの世界には楽器というものが存在しない?
はたまた楽器と言う名前でないのか。


「音を奏でるものですよ。・・・やってみます?」

「興味あるね。ぜひ」

るりはケースからフルートを出すと、手際よく組み立てる。
そしてフルートを構えるとCスケールを吹いた。





ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド

ポンポンポンポンポンポンポンポン




・・・・なぜか卵が目の前に吹いた音の分だけ現れて、テーブルの上に転がった。

・・・・え?

モールは目を大きくして動かなくなる。
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