フルート吹きの魔法使い
「・・・・それはとんでもなくマズい事になってるだろ。相手は魔法長のグレイ様かよ・・・」
「城に上げたのを後悔している。・・・これならまだモール様のところにいた方が安全だった」
フランは大きくため息をついた。
なぜ、ルリの事になるとこうも上手くいかないのか。
今回の事だって城に来ればもう少し仲良くできると思ったんだ。
なのに、ルリの態度は一向に軟化しない。
あげくとんでもない邪魔物が増える。
いつもなら、ちょっと挑発して誘惑してやれば、落ちない女などいなかったのに。
ルリは全くなびかない。
何をやっても全て裏目に出てしまう。