フルート吹きの魔法使い
「・・・どうしたの?」
「いや・・・その・・・反則」
なにが?とるりは首を傾げる。
るりは全く気付いていないようだ。
「私、部屋に戻って忘れないうちに曲を書き起こすわ。本当ありがとね!フラン!」
そう言うと、るりは駆け足で部屋へと戻っていった。
「フラン様・・・意外と純粋なのですね」
「不意打ちに弱いんだ。・・・言わないでくれ、恥ずかしい」
フランはこの夜、あまりの嬉しさになかなか眠る事が出来なかった。