フルート吹きの魔法使い

そんなやりとりをしていると、周りから一際大きな声援が沸き起こった。

「パレード始まったみたいですよ、ルリさん!」

ククルに言われて、るりは沢山の人の間から、そのパレードを見る。



先頭には重そうな鎧をつけ、長い槍のようなものや剣を持った騎士達が、整然と並びゆっくりと歩いてくる。
その中には、緊張した面持ちで歩くガリエルの姿もあった。


「見て、ガリエルの顔。今まで見たことのない顔だわ。面白いわ」

「彼は緊張しいですからね。緊張しすぎて動きがぎこちない。あ、今行進がずれた」

「二人とも、言いすぎですよ。本人は真面目にやってるのに」


るり達はククルに注意されてしまう。
ガリエル達が通り過ぎた後、今度は馬に乗った騎士達が歩いてくる。
先頭は騎士団長。渋い中年の男性だ。


そしてその後ろにいるのが、フラン。


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