フルート吹きの魔法使い
「!!」

るりは思わず顔を赤らめて、目を逸らしてしまう。
るりの周りにいた女性達は、そのウインクが自分に向けられたのだと思い、さらに黄色い声援を送っている。

フランは顔を赤くするるりを見てふふっと笑った後、前を向き凛々しい顔に戻り、るりの前を通り過ぎていった。



「さすが、この国きってのプレイボーイですねぇ。女性の心を掴むのが上手い」

グレイは未だ顔の赤いるりを見て、怪しい笑みを浮かべる。

「もしかして、好きになっちゃいました?悪い事は言わない、止めた方がいいですよ。好きになるだけ辛くなる。自分が馬鹿を見るだけですよ」

「ま、まさか!好きになるなんて・・・」

るりは慌てて否定する。


好きになるとか、そんなんじゃない。
ただカッコいいから見とれてしまっただけで。
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