フルート吹きの魔法使い
「ふふっ、一緒になるなら一途に思う男をお勧めしますよ。例えば私とかね?」
「・・・結局それが言いたいだけじゃん」
「バレました?・・・まあいずれわかりますよ」
そう言って、るりの体に腕を回そうとする。
が、ククルの厳しい瞳の輝きに、グレイは手を回すのを慌てて止めた。
"フランを好きになると、辛くなる"
どういうこと?
いずれわかるって・・・。
パレードは佳境を迎えている。
だが、るりの頭の中はグレイの意味深な言葉で、それどころではなくなっていた。