フルート吹きの魔法使い
そこから魔法塔の中も慌しくなっていく。
この時初めてるりは、引きこもりの魔法使いと出会う。

「・・・なに?いよいよ始まるんだって?」

グレイの部屋でもしもの時の対策を3人で練っていると、のそりと入ってきた。

牛乳瓶の底のような厚いレンズの眼鏡をかけて、頭はボサボサ。
無精髭も凄い。

そんな格好だからなのか私達よりも遥かに年上に見える。
肩には少しグロテスクな形貌の生き物が、ギィギィと鳴いて乗っていた。

厚い眼鏡の奥からじろりと睨まれて、るりは身体が硬直する。



「お前がルリか。俺はレイモンド。よろしく」

「よ、よろしく」

ビクビクしながらもるりは返事をした。
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