フルート吹きの魔法使い

「・・・詰まった。思い通りに仕上がらない・・・」

焦りなのか不安なのか、そんな気持ちが失敗させているのだろうと思う。
るりは少し頭の中を整理させるため、一人街へとフルートを抱え繰り出した。



街はいつも通りの賑わいを見せている。
その光景を見て、少し安心をした。

この平和を壊したくない。
どうして争いは起こるのだろう。
それぞれが少しの思いやりを持てることができれば、きっと争いなんて起きないはずなのに。



街の少し外れに小高い丘がある。
るりはそこへ行くことにした。

そこはアルデハラの城と街全体が一望出来る場所。
実は建国祭のパーティーの時に、フランから教えられていた場所だ。




"今度、二人でその丘にいこう"と。


< 174 / 270 >

この作品をシェア

pagetop