フルート吹きの魔法使い
その日の夜、フラン達は偵察を終え、城へと戻ってきた。
国王からルリがいなくなったとの話を聞き、そのままフラン達はグレイの部屋へとやってくる。
「ルリがいなくなっただと!?一体どういうことだ!!」
顔面蒼白のフランが、大きな声でグレイに詰め寄る。
「フラン。少し落ち着いて。騒いだところで今はどうにもなりません。まず座って」
グレイはフランとガリエルを椅子に座るように促した。
落ち着いているように見えるグレイだが、発せられる言葉の節々は少し震えていた。