フルート吹きの魔法使い
ガリエルとフランは足早に部屋を出て、それぞれの場所へと向かっていった。
グレイはフラン達がいなくなったあと、机を拳で思いっきり叩く。
今まで殆ど出す事のなかったグレイの感情。
顔は恐ろしいまでの怒りの表情に変わっていた。
「・・・・グレイ」
名前を呼ばれ、グレイは声の聞こえた先を見た。
そこにはレイモンドが立っている。
「レイモンド・・・・すまない。見苦しい所を見せてしまったね」
グレイは苦しそうな笑顔を見せた。
「・・・ルリの居場所、こいつなら捜せるかもしれないぜ?」
レイモンドは顔を横に向けた。
肩にはお気に入りの魔獣がギィギィと鳴いていた。