フルート吹きの魔法使い
「弟子・・・ですか。人嫌いのあなたが珍しい」
「彼女の魔法の力に惚れたのさ。・・・見ていたかい?」
「ええ。すごい魔法です。あの音の羅列を聴いている時には、私も身動きが取れなくなった」
一面の花。
それを改めてフランは見渡す。
「へぇ、人にも効果ありってとこかい。それは凄い」
ルリは申し訳なさそうにモールの後ろへ隠れようとする。
「隠れないでルリ。私はアルデハラ城の騎士団の副団長を務めるフラン・リディグと言う。以後宜しく」
フランは手のひらを上にして、るりの前に差し出した。
が、ルリはその上に手を置こうとはしない。
きょとん、とフランを見ている。