フルート吹きの魔法使い
目の前の気持ちの悪い男がいなくなり、辺りから不穏な空気が消え去る。
るりはとたんにその場に座り込んだ。
身体中から嫌な汗が出ていて、額から落ちた汗がぽたりと地面に落ちる。
「な・・・なんなの・・・。なんなのよ、アイツは」
激しく脈打つ心臓が、なかなか収まらない。
なんとか落ち着かせようと、るりは胸元のペンダントを握る。
モールさんが守ってくれた・・・。
このペンダントのおかげだわ・・!
「・・・まずはここからでなきゃ・・・」