フルート吹きの魔法使い

「・・・もしかして、フィランドールはこれを私に吹かせるつもりですか?」

「わからん。でもお前さんはこれを吹くことは出来ないだろう?」

「無理です。・・・これは吹いてはいけない。吹いたら大変なことになる」


るりの手が小さく震える。

なぜ楽譜が存在しないこの世界にあるのか。
そしてなぜこんな恐ろしい曲なのか。

誰がこれを作った・・・?




「ルリ、これはどういう魔法ですか?」

グレイの問いに、るりは震えた声で答えた。


「これは・・・この世界を壊しかねない、曲。"破壊と絶望" をもたらす魔法よ」
< 217 / 270 >

この作品をシェア

pagetop