フルート吹きの魔法使い
「フラン・・ごめんなさい!私、あの曲を・・・!!」

瞳から涙が溢れ、るりは手で顔を覆った。

私があの曲を吹いてしまったばかりに、この世界は・・・。

「ルリ、落ち着け!実はあの曲の事でわかった事があるんだ。今グレイ様を呼んでくるが、話を聞ける体力はあるか?」

「わかった・・・事?・・・ええ、大丈夫。聞ける」

「そうか。じゃあ呼んでくる。それまでそのまま待っていろ」

そう言うとフランは部屋を出て行った。





るりは自分を落ち着かせようと、ベッドから窓の外を眺めた。

空は青く澄み、鳥のさえずりも聞こえる。
そこから見える風景は普段と変わらず平和に見えた。

その景色に安心するも、ひとつ疑問が生まれる。



あの曲を吹いたのに、風景も、人も、何にも変わってない。
一体どういう事・・・?

まだすっきりとしない頭で考えていると、扉を開ける音がする。


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