フルート吹きの魔法使い
「あまりルリを責めるな、ガリエル。今後私に言い寄る女は全部お前に振ってやるから」

何も言えないでいるるりを庇うかのように、フランが話に割って入ってきた。
その言葉にガリエルは声を荒げる。

「お前のお下がりなんかいらねぇよ!!俺はルリが良かった!!お前に取られたくはなかったんだよ!」

「悪いな。ルリだけは何があっても譲れない。死んでも離さない」

フランは真剣な表情でガリエルを見ている。

時が止まったかのように部屋はしんと静まり返った。
ガリエルはそんなフランの顔をじっと見た後、ふっと笑みを漏らした。



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