フルート吹きの魔法使い
家の前の庭。
何も約に立たないかも知れないけれど、一応護衛のためにるりはフルートを手に持っている。

「・・・で、話って何さ」

キッと睨みながら、るりからそう聞いた。

「・・・まず、その手に持ってるやつは何だ?」

「これはフルート」

「フルートとは?」

「吹くと音が出るものよ」

「年は?」

「19」

「結婚は?」

「してるわけないじゃん」

「いつ頃来たんだ?なぜモール様のところに?」

「一ヶ月ほど前かな、気がついたらこの森にいたんだよね、で、事情話したらここに住めって」

「気がついたら?前はどこにいたんだ?」

「前は・・・・・・ってかなり質問攻めだね」

なぜそこまで私の事を聞いてくるのか。
ムカつくんじゃないのか。

「いいじゃないか。私はお前の事が知りたいんだ」

「なんでよ」


「なんで?それはお前に興味があるからだ。初対面で私を拒否したのはお前が初めてだからな」
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