フルート吹きの魔法使い
そんな光景を見ていたフラン。
頭の中が真っ白になる。
フランが見た事のないルリの満面の笑み。
そして、はずむ二人の会話。
フランが欲しかったものを、ルリは惜しげもなくガリエルに与えている。
ガリエルもルリといつの間にかこんなに仲良くしている事を、フランには一切話さなかった。
それが、フランにはとてつもなく許せなかった。
フランは固く握りこぶしを作る。
眉間に皺をよせ、酷く顔が歪んでいた。
・・・なぜ、ガリエルなんだ!!
・・・なぜ、私じゃない!!
居ても立ってもいられなくなり、フランは隠れて見ていた場所から二人の居る所へと出て行った。